パーキンソン病由来の疼痛。
パーキンソン病の筋固縮、無動などからの二次的な症状でなく、脳神経系の損傷、機能障害から直接起因していると思われるもの。
あまり多くないケースだけど、当てはまる人はかなり苦しむ症状です。
足が痛い、手が痛い。
実際にその部分の筋、骨、神経などの組織が傷んでいるなら治療しやすい。
そこを治せばいいわけだから。二次的症状もこれに近いです。
でも、パーキンソン病の脳の病変に直結して身体に痛みが出ている場合、
痛む場所を治療しても一時的に治まるだけ。
Tさんの場合、ひどい痛みが左のももにありましたが、ドーパミンアゴニストの貼布薬でコントロールがほぼ出来ていました。(アゴニストがわからない方はググってみてください。m(__)m)
けど先日、ちょっと薬の飲み方を変えたときにたまたま精神的ストレスも重なって、痛みが出てしまいました。
痛みの記憶が蘇り、不安と怖さで軽いパニックを呼び、貼布も剥がしてしまい、余計に痛くなり。
何かあったら電話してくださいね〜。といつも言ってあるので、僕のところに連絡が来ました。
駆けつけてみると、明らかに表情が違う。
硬くこわばり、1点を見つめ、血の気が引いています。
こういう時、まず初めにすべきこと。
僕自身が落ち着くこと。
必要なのはマッサージのテクニックなどではありません。
要は、どうやって落ち着いてもらうか。安心感をもってもらうか。
いつものようにマッサージしながら、気持ちが鎮まり、不安が消えるように誘導します。
普段と同じの様で、ちょっと違う。そういう意味では、テクニックかもしれません。
2.3分で表情が戻り、頬に赤みが差し、もとのTさんに戻りました。
ただ、一度不安感を持ってしまうと、一人になったときにそれがまたぶり返します。
今回は同じようなコールが日を変えて4回ありました。
その後、もう大丈夫というのがわかり、普段通りに戻りました。
精神的な要素で症状を悪化させてしまう人は本当に多いです。
ストレス→症状悪化→それがさらにストレスになる→さらに悪化→以下同じ
とならないよう、→を切ってしまうことが大事ですね。
「またなってしまうかもしれないけど、また呼んでくれれば治りますからね」って言っときました。
それがお守り代わりになればいいなと思います。